serand park

人間について真面目に考えてみるブログです。

危うい自殺報道

 今をときめく人気俳優だけに、その死は誰にとっても大きなショックだし、同い年、一日違いの誕生日ということもあり、残念でならないのは私も同様だが、自殺は珍しいことじゃないし、今この瞬間にもこの世を去った人、去ろうとしている人、あるいは思いとどまった人が何万といるわけで、個人的な経験を踏まえて言うと、連日報道が続いたり、惜しむ声が鳴りやまないようだと、自死を思いとどまった人が一番危険に思う。せっかく希死念慮から解放されて、これからどうにか生きようと胸に決めた人からすれば、こんな報道や悲しみの声を垂れ流されては、出鼻をくじかれた思いがして、たまったものじゃない。あげく再びずるずると暗い情念に引きずり込まれてしまうのだ。

 もし彼の思いに想像をめぐらすことができなかったことを悔いるなら、まずはこういう人がいるかもしれないと想像してみたらどうだろうか。それともやっぱり自分たちの気持ちを優先させたいのだろうか。