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人間について真面目に考えてみるブログです。

ボードレール『ANY WHERE OUT OH THE WORLD』:魂の夢見る跳躍

人生は一つの病院である。そこに居る患者はみんな寝台を換へようと夢中になつてゐる。 或るものはどうせ苦しむにしても、 せめて煖爐の側でと思 つて ゐる。 また 或る ものは 窓際へ行けば きつと よくなる と 信じてゐる。

ボードレール シャルル・ピエール. ANY WHERE OUT OF THE WORLD (Kindle の位置No.3-5). 青空文庫. Kindle 版.

 

 魂の沈黙と叫びが、愛嬌たっぷりに語られている。この世の外ならどこでも構わないという魂は、死を望んでいるのでもなかった。死でさえもまたこの世の範疇にあるものに過ぎないのだった。生と死を越えた世界を、詩人の魂は、駄々っ子のように欲して求めている。

 

 

ANY WHERE OUT OF THE WORLD